石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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石綿(アスベスト)

石綿(アスベスト)とは?

 石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状珪酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。熱や電気を通しにくい性質から、防火・保温などの材料または絶縁体として様々な用途に使われていました。近年になってこの石綿に起因する中皮腫や肺がんといった健康被害が多数発生し、社会問題化しています。

石綿が原因で発症する病気は?

 石綿の繊維は、肺繊維症(じん肺)や悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性もあることが知られています(WHO報告)。石綿による健康被害は、石綿を吸ってから長い年月を経て出てきます。

石綿に関する法規制について

 石綿等が使用されている建築物又は工作物の解体等については、労働者の健康保護、一般環境への汚染防止等の目的から「労働安全衛生法」「石綿障害予防規則」「大気汚染防止法」「建設リサイクル法」「廃棄物処理法」により規制されています。

 石川県においては、平成17年10月7日に「ふるさと環境を守り育てる条例」を改正し、石綿に関する規制を設けて同年12月1日より施行していましたが、同年12月21日に「大気汚染防止法施行令及び同施行規則」が改正されて平成18年3月1日より、条例に基づく解体等の届出等は、大気汚染防止法に基づく届出等に移行されました。

建築物における石綿

 建築物においては、耐火被覆材等として吹付け石綿が、屋根材・壁材・天井材として石綿を含んだセメント等を板状に固めたスレートボード等が使用されている可能性があります。

 石綿は、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれており、吹き付けられた石綿が劣化等により粉塵を発散させ、労働者等がその粉塵に曝露する恐れがある時は、除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければなりません。

石綿への対処

 我々が日頃使用する事務所などに石綿が使用されている場合は、速やかに除去等の対策を講じましょう。あまり神経質になる必要もありませんが、放置することは避けなければなりません。20年から30年後に、中皮腫などの健康被害として表面化する可能性があるからです。

 農林水産省では、建築物の解体時等における飛散予防の徹底のため、石綿を有する製品の利用実態調査、点検、診断等に10億円規模の予算措置をしています。また、既存建物に使用されている石綿の除去費用等について融資を行うため、国土交通省・環境省・経済産業省・厚生労働省では、財政投融資による予算措置がされています。関係する機関へ問い合わせてみても良いでしょう。

参考資料

  • 首相官邸ホームページ
  • 環境省ホームページ

(機関誌 平成18年4月号より)