石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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エコフィード

エコフィードとは

 食品工場の残さや店の売れ残りを活用した家畜用の飼料のことを言い、環境に優しい「エコロジー」と飼料を意味する「フィード」を組み合わせた造語です。これまでは、ゴミとして捨てられていた果物や穀物の搾りかす、売れ残ったパンや総菜などを加工して家畜に与える取組みを言います。 農林水産省消費安全局では安全性の確保のため、平成18年度にガイドラインを制定し、原料排出から給与までの各過程における管理の基本的な指針を示しました。また、社団法人配合飼料供給安定機構が平成19年度に商標登録を取得しています。

エコフィード導入の意義

 日本は家畜に与える濃厚飼料の多くを海外から輸入しており、平成15年度現在での飼料自給率は、24%にとどまっています。一方、食料残さについては、平成19年に農林水産省が調査したもので、食品産業全体で1,130万トン。うち、21%の240万トンが飼料に再利用されているという結果でした。 この状況を改善するため、同省では、平成32年度までに飼料化率50%にすることを目標にしており、これが実現すれば、資源の有効活用や食料自給率の向上にもつながると考えられています。

認証制度について

 生産から流通までの一貫した認証体制を整備するため、平成21年にはエコフィードの認証制度を、平成23年度からはエコフィードを利用した畜産物の認証制度をスタートしました。認証機関は、中央畜産会で、一定の割合の食品残さを使用しているエコフィードを対象に、承認を受けた商品名に「エコフィード」を付けることができます。マークもあり、一目でその商品だと分かるようになっています。

メリットと課題について

 メリットとしては、「環境にやさしい畜産物」という付加価値を高めることができ、消費拡大のPRになること、また、輸入飼料が高騰している今日、国内資源で安定的に飼料が調達できるといった利点があります。
 その反面、加工の段階で、長期保存を可能にするための水分除去に大きなエネルギーコストがかかる点が課題となっています。また、生産者、製造業者など業者をはじめ、消費者において認知度が低いのが現状で、今後、早急に知名度を上げることが必要となっています。そのためには、「産・官・学」相互の連携を強めることが重要で、このネットワークの構築により、エコフィードを円滑に推進することが可能となると考えられています。

これから

 「もったいない」という世界共通語があるように、これまで多くの食品資源が廃棄されてきた実態があります。エコフィードを導入することにより、食品資源の有効活用が図られ、循環型社会の構築にも大きく寄与することが期待されます。私たち消費者も、環境に優しい商品を積極的に選ぶように普段から心掛けることが求められています。

参考資料

  • 日本農業新聞
  • Wikipediaホームページ
  • びーふキャトル「エコフィード(食品残さの飼料化の推進について)」
  • 中国四国農政局「時代はエコフィード!」

(機関誌 平成23年10月号より)