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改正農薬取締法
平成14年7月以降、一部の業者が、登録のない農薬を輸入、販売していた事が発覚し消費者へ国産農産物への不信感を与えるとともに農作物の出荷自粛という事態を引き起こし「食と農の安全・安心」が大きく揺らぎました。調査によると44都道府県で270の業者が約4,000戸の農家に10種類の無登録農薬を販売したことが判明しています。
国ではこの事態を受け昨年12月に臨時国会を開き、農薬取締法の改正を行いました。
改正内容は、
- 農林水産大臣の登録を受けなければ、農薬を製造、輸入することはできない。(但し、安全性が明らかなものについては、登録を要せず、「特定農薬」と呼ぶこととする)
- 輸入代行業者は、農薬の有効成分の含有量などに関してのウソの宣伝や、無登録農薬を登録を受けていると誤解させるような宣伝をすることはできない。
- 登録番号のない農薬(無登録農薬)を農作物などの防除に使うことは法的に禁止される。また安全性に問題があって販売が禁止された農薬(BHC,DDT,砒酸鉛などの21種類)は、その使用も禁止される。
- 登録された農薬を使う場合の使用時期や使用方法など農薬使用者が遵守すべき使用基準が定められた(農薬の作物への残留などを防ぎ、農薬の安全かつ適正な使用を確保するため)。
となっています。特に、使用基準については守らない場合、罰則の対象になることがあるので充分注意する必要があります。
なお、改正法の施行はこの3月10日から実施されており、正しい農薬の使用により安心できる農産物生産の徹底が図られることとなります。
改正内容
改正後 | 現行 |
---|---|
無登録農薬の製造及び輸入の禁止 | 無登録農薬の販売を禁止 |
輸入代行業者による広告の制限 | 製造業者、輸入業者及び販売業者の虚偽宣伝を禁止 |
無登録農薬及び使用規制の創設 | 作物残留性農薬等の使用規制、防除業者の届出、防除方法の変更命令 |
農薬の使用基準の設定 | |
法律違反の罰則の強化(飼料等と同等に引き上げ)※ | 飼料等に比べ低く設定されている |
※罰則の詳細
項目 | 改正後 | 現行 |
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販売に係る義務違反 | ・3年以下の懲役(自然人) | 1年以下の懲役 |
・100万円以下(自然人) ・1億円以下(法人) |
5万円以下の罰金 | |
使用に係る義務違反金 | ・3年以下の懲役 | 3万円以下の罰金 (指定農薬のみ) |
※詳しくは、農林水産省のホームページをご覧下さい。
(機関誌 平成15年4月号より)