石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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環境問題とリサイクル

 私たちは、食料や原料という形で資源を環境から採取し、様々な事業活動を営み、その過程で廃棄物、排出ガス、排水等の不用物を環境中に排出しています。

 しかし、「大量にものを生産し、消費し、廃棄する。」といった現在の経済システムが寝付くにつれて、環境への負担が大きくなり、地球温暖化問題や酸性雨、オゾン層の破壊、熱帯林の減少などといった地球規模の環境問題を引き起こすようになってきました。

 その解決策の一つに、手早く取り組める事としてリサイクルの推進が挙げられます。

 国の取り組みにおいては、平成7年12月に施行された「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」があり、家庭ごみを中心とする一般廃棄物のうち容積で6割を占める容器包装廃棄物を分別収集し、リサイクルすることを推進しています。

 平成9年4月からは、ペットボトル、無色・茶色・その他のガラスびん、スチール・アルミ缶、紙パックの容器包装廃棄物の分別収集が始まったところで、さらに平成12年4月からは、その他の紙製容器包装、プラスチック製容器包装が対象で品目に追加され分別収集が開始される予定です。その他、平成10年6月には、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機を対象とした「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」が公布されるなど、リサイクルを進めるための仕組み作りが進められています。

 こうして回収されたリサイクル原料から生産すると、資源を再利用できるだけでなく、紙製品では70~75%、アルミニウム製品は97%、鉄製品は65%、ガラス製品は15~20%のエネルギーを節約することができます。

 本県のリサイクル率は、6年度5.8%(全国平均9.1%)、7年度6.8%、8年度8.6%と着実に増加しており、市町村では、スチール・アルミ缶、ガラスびん等の資源ゴミの分別収集を進めるとともに、ボランティア団体等の資源ゴミ回収に奨励金を交付するなどリサイクルに積極的に取り組んでいます。

 このように、徐々にリサイクル運動の輪が広がりつつありますが、未だ再利用のための生産コストが割高であるといったことや、制度の確立が明確でないということでまだまだ浸透率は浅いのが現状です。しかし、何よりも解決法は一人ひとりがごみの分別を徹底するなど普段出来ることから少しずつ取り組んでいくことではないでしょうか。本会に事務局のある「食料・環境・ふるさとを考える地球人会議inいしかわ」でも、会員の皆さんと共に少しでもできることから実行に移していこうとしています。これからますますこのような運動の必然性が高まると思いますが、小さな取組みでも一つひとつ積み重ねていくことが環境問題の解決に寄与することになるのです。

参考資料

  • 平成9年度版 石川県環境白書

(機関誌 平成10年11月号より)