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降水量
空から降ってくるものには、雨のように液体の形で降るもの、雪やひょう、あられなどのように、固体で降るもの、また、みぞれのように液体と固体が混ざった形で降るものがあります。これらを全部含めて「降水」といいます。
その雨水が、地面にしみ込んだり流れ去ったり蒸発したりせずに、そのままそこにたまったときの水の深さをミリ単位で測ったものを「降水量」といい、時間あたりの量を10分間・1時間降水量、日降水量といいます。雨だけの場合は、「雨量」といい、雪などは電熱で解かした水の深さを測ることになっています。
降水量の考え方は、容器の大きさに関係なく、雨水が深さ1mm溜れば雨量が1mmということになるので、極端な話コップでもバケツでも庭の池でもその結果は同じなのですが、正確な数値を求めるために、通常「貯水型指示雨量計」もしくは「転倒枡型雨量計」により自動的に測っています。
前者は受水器口径20cmの円筒型の雨量計で、円筒内にたまった雨水を人手によって雨量枡を使って正確に測ります。後者は、雨量計に入った雨水を導く漏斗の下に、0.5mmまたは1mmの雨がたまると転倒するシーソーのような枡があって、枡が転倒するごとに水銀スイッチが動作しそのパルス電流の回数によって計測しています。なお、寒冷地や雪国では、降雨計の凍結防止や雪を溶かして測るために、電熱で0~10℃くらいに保温できる温水転倒枡型雨量計が用いられています。
降水量の目安については、雨量1mmは1升ビン(1.8l)2本を、また雨量100mmとはドラム缶1.5本分(300l)の水を3.3m2(1坪・畳2枚)の面積に注いだ水量に相当します。
降水量から降雪量も求めることができ、例えば降水量が5mmの場合、本州の海岸・平野部では5cm(雪の密度を0.1g/cm2として)、山地や北海道の寒冷地では、10cm(密度0.05g/として)となります。
この他、降雨状況についても、下表に示すとおりいくつかの段階に分けられており、土地改良事業を行う際にも、用水計画や排水計画では、この数値を考慮に入れる場合があります。
なお、県内で過去最大の雨量を記録したのは、輪島測候所のデータで、日雨量が昭和33年7月25日の269.5mm、時間雨量が昭和25年9月18日の77.3mmとなっています。
全国的には、今年の9月に、沖縄地方を中心とした全国9箇所の観測地点で観測史上最多の降水量を記録しており、特に多かったのが久米島(沖縄)の月間降水量1330.5mm(平年の8倍以上)と、那覇の1095.5mm(平年の5倍以上)でした。
通称 | 雨の強さmm/時間 | 降雨状況 |
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小雨 | 1未満 | 地面がほとんどぬれないか、かすかに湿る程度。 傘なしでもレインコートで間に合う。 |
弱い雨 | 1~3未満 | 地面がすっかり湿る。 |
雨 | 3~8未満 | 地面に水たまりができる。 |
やや強い雨 | 8~15未満 | 雨の降る音が聞こえる。 |
強い雨 | 15~20未満 | 地面に一面水たまりができる。 雨の音で話がよく聞きとれない。 寝ている人の半数くらいが気づく。 |
激しい雨 | 20~30未満 | どしゃ降りになり、傘をさしていてもぬれる。 側溝がたちまちあふれる。 小川のはんらんが始まる。大雨注意報が出る。 |
非常に激しい雨 | 30~50未満 | バケツをひっくり返したように降る。 都市では下水管があふれる。大雨警報が出る。 山崩れ・がけ崩れが起こりやすい。 場合により、避難の準備を始める。 |
猛烈な雨 | 50以上 | 滝のように降る。雨しぶきで辺りが白っぽくなる。 土石流が起こりやすい。 |
(機関誌 平成13年11月号より)