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国民年金への加入と届出

 最近、国会議員の国民年金未加入・未納問題が大きく報道で取り上げられています。年金制度自体が複雑で、私たちも気づかないうちに未加入・未納になる例があり注意が必要です。

 国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人はすべて加入しなければならず、加入者(被保険者)は職業などにより三つの種別に分けられます。

第1号の届出は本人が市町村へ、保険料は国に納付

 20歳以上60歳未満の自営業者や学生、無職者は国民年金の第1号被保険者となります。20歳になったら住民票のある市町村に本人が届出し、社会保険庁から送られてくる納付書によって保険料(平成16年度月額13,300円)を納めます。

保険料の未納と免除

 保険料を納める義務があるのに無断で納めないのが「未納」で、所得が低いなどの理由を社会保険事務所に申請して保険料の全額または半額を納めなくても良いとされるケースが「免除」となります。

 「未納」では、納付期限から2年以内であれば保険料を納めることができますが、2年を過ぎると、時効により徴収されることも被保険者が追納することもできなくなります。

 「免除」には、低所得者の保険料を免除する制度と「学生納付特例制度」があり、どちらも免除期間は年金加入期間に算入されます。免除期間の年金は、国民年金制度のために国から出している国庫負担分に当たる額は確保されますが、保険料分については減額率と減額期間に応じて減らされます。国庫負担分は、平成18年までに現在の3分の1から段階的に2分の1に引き上げられることになっています。また、一時的に減免措置を受けても、10年以内に保険料を全額追納すれば免除期間の満額を受け取ることができます。

 「学生納付特例制度」は、期間中の障害や死亡には満額の障害基礎年金または遺族基礎年金が支給されますが、老齢基礎年金には反映されません。これも10年以内に追納することができるので、満額の給付を受けるためにも卒業したら忘れずに追納するようにしましょう。なお、「学生納付特例制度」の届出は、毎年度必要となります。

第2号、第3号の届出は事業主が提出

 厚生年金保険の被保険者と被扶養配偶者は、国民年金の第2号・第3号の被保険者となり、国民年金に要する費用は、厚生年金保険料から拠出されるので個別の負担はありません。ただし、結婚や退職などにより種別の変更がある場合、届出を忘れると未加入扱いとなるので特に注意が必要です。

 国民年金は、40年間加入した場合に満額の年79万4,500円(平成16年度)を受け取れます。しかし、加入期間が通算25年以上でないと給付が受けられず、未納期間があった場合は1年当たり約2万円減額されます。さらに、未加入・未納を続けていると、病気やけがで障害を負っても障害基礎年金を受給できない恐れもあります。

 昨今「公的年金はつぶれるのではないか」という意見がありますが、我が国の経済社会が存在する限り決してつぶれることはありません。私たちは社会全体での世代間扶養の考え方を正しく理解し、この仕組みを守り育てるためにも年金に加入し、きちんと保険料を納付する義務を果たすことが大切です。

 今回、自分の加入歴が不安になった人は、なるべく早く社会保険事務所で確認し、将来年金を受けるときに不利にならないよう十分注意して下さい。詳しいことは、市町村役場国民年金担当課または社会保険事務所にお問い合わせ下さい。

種別 対象となる人
第1号被保険者 農業、自営業、学生などの日本国内に住む20歳以上60歳未満の人
第2号被保険者 厚生年金保険・共済組合など被用者年金制度の加入者本人で原則65歳未満の人(国民年金と厚生年金保険などに二重加入)
第3号被保険者 第2号被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の人

(機関誌 平成16年7月号より)