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再生可能エネルギー
再生可能エネルギーとは
石油・石炭等の化石燃料や原子力等の限りある資源と比べ、自然環境の中で繰り返し起こる現象から取り出すエネルギーの総称を指す国際的な言葉です。具体的には、太陽光や太陽熱、水力(ダム式発電以外の小規模なものを言うことが多い)や風力、バイオマス(持続可能な範囲で利用する場合)、地熱、波力、温度差等を利用した自然エネルギー等を指します。
導入拡大の必要性について
化石燃料の枯渇や地球温暖化対策のため、その導入拡大が必要となっています。農山村地域においては、バイオマス資源の利活用を促進させ、農林水産分野を成長産業化するとともに、太陽光、水力、風力等のエネルギーの生産拡大と利用の促進を図り、農村地域において新たな利益を生むシステムを育成する必要があります。 今ある農林水産分野の再生可能エネルギーを利活用すれば、約3,190万トン-CO2(対1990年比約2.5%)の温室効果ガスが削減できると言われています。
導入の実績について
現在、農業農村整備事業等による再生可能エネルギー発電施設の事例としては、本県の小水力発電(県営かんがい排水事業「中島地区」)をはじめとして、千葉県の太陽光発電(村づくり交付金)、新潟県の風力発電(農村総合整備事業)、大分県のバイオマス変換施設(バイオマスの環づくり交付金)など全国で約120地区の導入実績があります。
助成制度について
再生可能エネルギー導入に関して、農林水産省をはじめ、経済産業省及び環境省に助成制度があります。平成21年度に拡充された「農山村活性化プロジェクト支援交付金」では、農業農村の活性化に資する共同利用施設を供給対象とする再生可能エネルギー供給施設の新設、更新が可能となっています。また、同年度に拡充された「地域用水環境整備事業」においては、小水力発電施設の単独整備が可能となっています。
最後に
先の東日本大震災の原発事故を受け、再生可能エネルギーへの関心が高まっているなか、政府では電力の買い取り対象を太陽光だけでなく、風力、小規模水力、地熱、バイオマスまで拡充する「再生可能エネルギー特別措置法案」を重要と位置付けました。現在総務省では、積極的な導入により東北地方を環境負荷の低い地域に転換する計画を構想しています。宮城県でも、「エコタウン」の形成として太陽光発電設備の整備や燃料電池、蓄電池を備えた「エネルギーハウス」の普及促進が図られています。 今後の課題としては、再生可能エネルギーの低コスト化が上げられます。大量の電力を使用する産業界では特に負担が大きくなると懸念されるため、政策による後押しが不可欠です。同エネルギーの導入が加速することで環境負荷の軽減が図られると同時に、環境産業の育成に寄与することにもなるのです。
参考文献
- 「再生可能エネルギー導入の手引き」(発行:(財)日本水土総合研究所)
- 河北新報社記事情報
- 読売新聞
(機関誌 平成23年7月号より)