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情報公開法
個人、法人を問わず、誰もが知りたい情報を開示請求できる制度、通称「情報公開法」がこの4月1日施行されました。正式名称を「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」といい、1999年5月14日に制定公布されています。
これは、行政機関が保有する情報を原則として公開することとし、国の内外を問わず全ての者に情報開示を求める権利(開示請求権)を与えるというものです。最近では、国の行政機関もインターネット等を活用して盛んに情報提供を行っていますが、あくまで行政側が選んだ情報のみの提供にとどまっており、本当の意味で情報の公開とはいえません。今回の情報公開法の施行により、国民の要望に沿った情報提供が可能となりました。
情報公開法の制定は、20年以上前からわが国の行政の大きな課題でした。地方公共団体においては既に取り組みがなされており、1998年にはすべての都道府県と政令指定都市で情報公開条例が制定されました。
情報公開法の目的は、開示請求権という具体的な権利が国民に与えられることにより、行政機関の保有する情報の一層の公開が図られること、またそれにより政府の活動を国民に説明する責務(アカウンタビリティー)を全うすることにあります。そうすることにより、国民が主体となった行政が推進されることとなります。
情報公開法の対象となっているのは、国の行政機関が保有する情報で、それ以外の機関つまり、立法府である国会や司法府である裁判所の情報は対象にはなりません。ただし、その中で行政機関が保有しているものについては対象になります。
情報は公開が原則とされていますが、例外的に不開示となるものがあります。それは、個人に関する情報や法人などに関する情報、また国の安全等に関する情報など、開示すれば私的な権利や利益に被害が及ぶと考えられるものや公共の利益を損なう恐れがあるものなどが該当します。
また、公文書館や博物館などの機関において、歴史的、または文化的な資料、あるいは学術研究用の資料として特別の管理がされているものについても、貴重資料の保存、学術研究への寄与等の観点からそれぞれ定められた開示範囲、手続等の基準に従った利用に委ねるべきだと考えられるため、対象から外されています。そのほか、官報、白書など一般に内容を容易に知ることができるものも対象になりません。
情報の開示を求める手続きは、まず開示請求権者が行政機関の長へ開示請求をします。それを受けた行政機関は、開示できるかどうかを30日以内に決定し、請求者に書面で通知します。その結果に対し不服がある場合、不服申立てを機関の長に行い、長はその申し出に対して裁決を行います。このとき長は、第三者的立場からの見解を求める意味で、内閣府内に設けられた情報公開審査会に諮ることとなっています。なお、そこで出された答えにさらに不服がある場合、最終手段として裁判所に対して訴訟を起こすことができます。
石川県においては、平成7年度から情報公開制度を実施しているところですが、このたび国の施行に合わせて条例が見直されています。
(機関誌 平成13年5月号より)