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ストックマネジメント
近年、建築物の増加にともない、建設された施設の維持管理費の増加が予想され、その予防保全の観点に立った中長期的な保全計画の作成及びバランスのとれた効果的な施設の保全に役立てる管理体制が求められています。
その管理体制の一つに、ストックマネジメントがあります。
具体的に言うと、既存の構造物を有効に活用し、長寿命化を図る体系的な手法のことで、(1)本来機能を長持ちさせること、(2)機能を十二分に発揮させること、(3)潜在的機能の開発を図ることなど、計画的な保全、保全実施結果の評価、保全関連技術の体系化などの施設管理を「マネジメント」することをいいます。
ストックマネジメントの利点は、絶えず変化を求められ、しかも変化に費用がかかる経営施設を常に最良の状態に保つことができ、その上コストを最小限におさえることができるところにあります。
また、建築・不動産に限らず、経営、財務、情報関連など総合的な分野において適用することができ、より幅の広い管理が可能となります。
官庁施設のストックについては、平成10年3月現在において、約8,860万m2となっており、その大部分は、戦後の高度経済成長期以降に整備されています。
国土交通省では、こういった施設の管理を「官公庁施設の建設等に関する法律」、「国家機関の建設物等の保全に関する技術的基準」、その他関係法令、基準
農業農村整備の分野においては、全国で国営土地改良事業等により造成されているダム、頭首工、用排水機場などの農業水利施設が約6,700箇所、農業用用排水路においては全国で延長約4万kmにのぼっており、こういった施設の適切な更新が重要となってきています。
このような中で、管理主体の土地改良区等が適切に能力を発揮できるような条件整備が必要とされており、国では来年度「国営造成水利施設保全対策事業」とその指導事業の2事業の新規制度化が予定されているところです。
これらの事業では、国が施設の機能診断や予防保全の基本計画を策定し、施設管理者が行う施設の指導・助言を行います。そして、都道府県、市町村、土地改良区等がその基本計画に基づいて予防保全対策を実施するという流れとなっており、それぞれの連携によりストックマネジメントの推進が図られることとなります。
(機関誌 平成15年3月号より)