石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

お知らせ一覧

セーフティーネット

 これは、言葉のとおり、セーフティー(安全)ネット(網)ということで、経済の一部で発生した破綻が経済全体の領域にまで波及しないようにする安全装置のことです。分かりやすく言えば、サーカスの綱渡りに張られる安全網と同じ役割を果たしているということになります。

 この問題が注目されるようになったのは、バブル経済の崩壊によって発生した金融システムの不安定性との関連があります。

 金融システムの安定性を維持するためのものとしては、万が一金融機関が破綻した場合に、預金者に対して法的限度内で預金の一部支払いを保証するペイオフという制度があります。もう一つあげるならば、「最後の貸し手」としての中央銀行があり、金融機関の支払い不能で経済全体の信用システムの不安をまねくおそれのある場合、その救済にあたるという機能を持っています。

 また、経済全体の安全性を維持するためのセーフティーネットとしては、企業のリストラの過程で生じる労働者の失業に対する雇用保険や社会保障の制度があります。 一方、農業分野においては、この5月に出された農業白書のなかにも挙げられていますが、構造転換に取り組む経営の価格変動リスクを軽減するセーフティーネットの整備が進められています。

 これは、思い切った規模拡大や作物転換など、経営の革新に取り組める環境を整備することをねらいとしており、「保険方式」を基本に、「積立方式」を含めた農業者の意向の把握、制度の具体的設計に必要な調査を実施しつつ検討することになっています。 対象となる経営は、「認定農業者」を基本に検討しており、その際、集落を単位とした集団的営農については、まだ取り扱いを検討しているところです。対象となる経営類型については、当面、水田営農及び輪作体系の下での大規模畑作経営における導入に向けて検討を進めており、品目別の経営安定のための措置及び農業災害補償制度との関係についても現在検討中です。

 このように、さまざまな分野において問題が生じた場合、必要最小限の被害で食い止めることができる「安全網」の体制が整いつつあります。

(機関誌 平成14年7月号より)