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世界遺産
世界遺産とは?
世界にはさまざまな国や地域に住む人々が誇る文化財、自然環境などがあります。なかには人類の残酷な歴史を刻むもの、また戦争や自然災害、環境汚染などにより危機にさらされているものも含まれています。これらを人類共通の遺産として後世へ受け継ぐために保護されているのが「世界遺産」です。
世界遺産の区分・登録基準は?
区分は、(1)文化遺産、(2)自然遺産、(3)複合遺産の3つのカテゴリーに分けられています。
登録基準については、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている10項目のうちいずれか1つ以上に合致するとともに、真実性や完全性の条件を満たし、適切な保護管理体制が取られていることが必要となります。
登録までのプロセス
世界遺産への登録は、次の手順を踏むことになります。まず、(1)世界遺産条約の締約国になる→(2)暫定リスト(5年ないし10年以内に登録推薦予定)をUNESCO(国際連合教育科学文化機関)へ提出→(3)ICOMOSとIUCNによる調査の実施→(4)世界遺産委員会への報告書提出・審議→(5)決定、といった流れになります。
なお、審議の場となる世界遺産委員会は原則毎年1回開催されており、締約国から選ばれた21カ国で構成されています(任期:原則6年)。
登録のメリット・デメリット
登録によるメリットとしては、「世界的に知名度が上がる」、「地元が活性化される」といった効果が考えられますが、その一方で、「経済的メリットが地元へ還元されにくい」、「観光化され、本来の姿を維持できない」といったことも生じる恐れがあります。これら両面の要素を考慮した上で、登録推進を考えていく必要があると言えます。
日本の世界遺産
2006年7月の前回委員会までに830件(文化遺産644、自然遺産162、複合遺産24)が登録されています。そのうち日本には、文化遺産11件、自然遺産3件、(複合遺産0件)の世界遺産があります。最近では、この6月にニュージーランドで開催された委員会で「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県)が文化遺産として新たに登録されました。
石川県に世界遺産を
本県にも世界遺産候補があります。「石川県に世界遺産を」推進会議では、富士山、立山とともに日本三名山と言われている「白山」、そして、400年以上の歴史を誇る「金沢の文化遺産群」の登録を目指しています。城下町金沢には、金沢城をはじめ兼六園、尾山神社、そして疏水百選にも選ばれている辰巳用水などの文化遺産が数多く残されており、これらを取り巻く歴史的な都市構造を含めた町全体を候補と捉えています。
貴重な遺産を現存のまま後世に受け継いでいくためにも、一日も早い世界遺産への登録が待たれます。
参考資料
- 社団法人日本ユネスコ協会連盟ホームページ
- 「石川県に世界遺産を」推進会議ホームページ
(機関誌 平成19年7月号より)