石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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独立行政法人

 この度行われた中央省庁再編の柱の一つともなっている独立行政法人制度とは、行政のスリム化、効率化を図るために設けられたもので、現在行政が行っている仕事のうち企画立案部門を除く執行ないし事業実施部門を独立させ、人事や事務運営に大幅な裁量権を与える替りに自発的な経営努力を促すことを狙いとした制度を言います。これは、1988年にイギリスのサッチャー政権下で導入されたエージェンシー(外庁)制度をモデルにしたと言われており、主なものに刑務所、造幣局、特許局など100を超える機関があります。

 独立行政法人の性質は、国から独立した法人格を持ち、あくまでも国の仕事をするのですが、国が直接行う必要のない事業を実施する出先機関や検査事務が対象となります。例えば、国立近代美術館や国立病院、研究機関などがそれに当たります。

 組織、運営及び管理については、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定されており、名称、目的、業務の範囲等に関する事項については個別法で定められています。

 設立に当たっては、法人として登記したうえで、少なくとも長1人と監事を置くことになっており、その他に役員を置くこともできます。職務内容については、長が独立行政法人を代表して業務を総理し、監事がその業務の監査を行います。いずれも担当の主務大臣によって任命され、その他の職員については、長が任命することになっています。

 運営に関しては、主務大臣が3年以上5年以下の期間において定めた目標に従って計画を作成し、大臣の許可を受け、公表しなければなりません。その後、これにしたがって毎事業年度の開始前に年度計画を定め、大臣に届けて公表することになっています。

 この他に、独立行政法人のうちでも一定の要件に該当するものを特定独立行政法人といい、独立行政法人と違って「業務の停滞が国民生活などに著しい支障を及ぼすと認められるものやその他当該独立行政法人の目的、業務の性質等を総合的に勘案して、その役員及び職員に国家公務員の身分を与えることが必要と認められるもの」として個別法で定められています。なお、それ以外の独立行政法人については必ずしもその身分が与えられていません。

 今回、農林水産省関係で対象となっているのは、試験研究や検査検定などを行う26の事務事業49機関で、平成13年4月1日から17の独立行政法人として新たに出発することになっています。

 身近なものには、農業工学研究所などがありますが、農業研究センターなど7つの事務事業12機関が農業技術研究機構に、農業生物資源研究所と蚕糸・昆虫農業技術研究所が農業生物資源研究所に、水産研究所など3つの事務事業9機関が水産総合研究センターに統合されます。

(機関誌 平成13年2月号より)