石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

お知らせ一覧

微小粒子状物質(PM2.5)

 本年1月頃、ニュースで中国の大気汚染(スモッグ)の映像が頻繁に放送されていたことを記憶している方も多いことと思います。そうしたニュースで一般的となった「PM2.5」という用語について、下記のとおりまとめてみました。

PM2.5とは

 PM2.5の、PはParticulateで「微粒子状の」という意味、MはMatterで「物質」という意味、つまりPMとは「微粒子状の物質」という意味であり、大気中に浮遊している2.5&mum(1&mumは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準に定めのあった10&mum以下の浮遊粒子状物質よりも小さな粒子です。

PM2.5の生成

 PM2.5には、物の燃焼などによって直接排出されるもの(一次生成)と、環境大気中での科学反応により生成されたもの(二次生成)とがあります。

 一次生成粒子の発生源としては、焼却炉などのばい煙発生施設、鉱物堆積場などの粉じん発生施設、自動車などのほか、自然由来のものや越境汚染による影響もあります。また、家庭内でも喫煙や調理、ストーブなどから発生します。 二次生成粒子は、燃料燃焼によって排出される硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)のほか、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状物質が、大気中で光やオゾンと反応して生成されます。

どのような健康影響がある?

 PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、肺がん、喘息や気管支炎など呼吸器系疾患のリスクの上昇や、循環器系への影響も懸念されています。

中国の大気汚染による日本への影響は?

 今年1月、西日本の広い地域で環境基準を超えるPM2.5が観測されたこと、都市汚染の影響の少ない九州西端の離島にある観測所でも濃度上昇が観測され、その成分に硫酸イオンが多く含まれていたことなどから総合的に判断すると、大陸からの越境大気汚染の影響があったものと考えられています。

注意喚起のための暫定的な指針

 平成25年2月開催された大気汚染及び健康影響の専門家による会合において、健康影響が出現する可能性が高くなると予測される濃度水準として、注意喚起のための暫定的な指針となる値を1日平均70&mug/m3と定めています。

暫定指針値を超えた場合の注意点

 PM2.5濃度が暫定指針値を超えた場合には、屋外での長時間の激しい運動や外出を減らすことは有効です。その際、換気や窓の開閉を最小限にして外気の屋内への侵入を少なくすることに留意しましょう。

 本県においては、数か所の測定がされており、基準を超える場合は「注意喚起情報」が県のホームページに掲載されます。

おわりに

 PM2.5がこれだけ話題になったのは、基本的に防ぎようのない物質だからです。しかし、主な発生元の一つと考えられる中国では大気汚染対策を早急に取るとの報道もされているようです。神経質にならず、当面は推移を見守ればいいでしょう。

参考

  • 環境省ホームページ

(機関誌 平成25年4月号より)