お知らせ一覧
放射線と放射能
昨年の東日本大震災後、原発事故で注目を集めている放射線(能)問題。よくわからない用語やなじみのない単位などに戸惑うこともあると思います。そこで、用語や単位の解説と人体への影響などについて確認したいと思います。
放射線と放射能
「放射線」は、放射性物質から放出される粒子や電磁波のことです。
「放射能」は、放射性物質が放射線を出す能力のことです。
懐中電灯に例えると、放射線は光、放射性物質は懐中電灯本体、放射能は光を出す能力ということになります。
「ベクレル」と「シーベルト」
「ベクレル」は、放射性物質が放射線を出す能力(放射能の強さ)を表す単位です。
「シーベルト」は、放射線を受けた時の人体への影響を表す単位で、人が被爆した時に受ける影響の強さを表します。
放射線を受けたらどうなる?
放射線を受けるとDNAが損傷しますが、100ミリシーベルト未満では、人体の治癒能力により殆ど修復されます。
- 250ミリシーベルト以上:リンパ性白血球の減少
- 500ミリシーベルト以上:白血球のリンパ球および顆粒球が減少
- 1,000ミリシーベルト以上:急性放射線障害、悪心、嘔吐
- 3,000ミリシーベルト以上:50%死亡
- 7,000ミリシーベルト以上:100%死亡
放射性セシウムや放射性ヨウ素とは?
共に、ウランが核分裂してできる放射性物質で、自然界には存在しません。飛散しやすい性質があり、福島第1原発事故では大気中に放出されたため、遠くまで影響が拡大しました。
「セシウム137」は、約30年で放射能の強さが半分になります。体内に入ると、新陳代謝や糞尿などにより約3カ月で半分が排出されます。
「ヨウ素131」は、約8日で放射能の強さが半分になります。
放射線を受けると、ガンになる?
統計的な計算では、100ミリシーベルトを被ばくした場合、ガンにかかる人の割合は0.5%増加することになります。しかし、喫煙など他の生活要因でもガンになるため、この程度の増加は放射線の影響とはいえません。普段の生活でも自然界から微量の放射線を受けており、過剰に反応する必要はないと言えます。
おわりに
目に見えず、匂いもない、人間の五感で感じる事のできない放射線。だからこそ、不安が高まるのは当然です。
しかし、放射線に対する間違った情報やほとんど影響のないレベルのことに過剰反応することなく、放射線や放射能について正しい理解と冷静な判断で適切に対応することが大切ではないでしょうか。
参考資料
- 「私にも分かるように、説明して!の声に応える放射線のこと」(北陸電力)
(機関誌 平成24年4月号より)