石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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保証人と連帯保証人

 最近の社会情勢は、景気低迷等から信用不安が大きく、金融機関や取引先などから担保の提供や保証人の差し出しを求められるといったことをよく耳にします。

 担保には、「人的担保」と「物的担保」の二種類があり、前者を「保証」、後者を「担保」と言います。今回は、主に前者の保証について見てみますが、これには5つの種類があります。

 まず、弁済能力があれば誰でも保証人になれる「普通保証」、主たる債務者と同等の立場で保証する「連帯保証」、それと類似するものに「連帯責務」、債権者と債務者との間で取引上繰り返し発生する債務を保証する「根保証」、そして手形に保証人として署名する「手形保証」があります。

 いずれも、借りたお金やローンなどの返済期限が過ぎてもその金額を返せない時、つまり、債務者本人がその債務を履行しない時、本人に代ってそれを履行することを約束する一種の契約のことを言いますが、その中でも、単なる「保証人」と「連帯保証人」の性質の違いについて、正しく理解しておく必要があると思います。

 まず、単なる保証人は、債務者が借金を返済できなくなったときだけ支払うもので、その責任は二次的なものと言えます。債権者は、まず債務者に請求し、支払われない時に初めて保証人に請求できます(この支払われない場合というのは、債務者が破産宣告や行方不明になったときのみのことを言います)。

 一方、連帯保証人は、債権者が連帯保証人の方が責務者に比べて資力があると判断した時、債務者に請求せずにいきなり連帯保証人に請求することができ、それを断ることはできません。また、債務者と連帯保証人に対し、同時に請求したり、強制執行することもできますし、保証人の責任がその人数に応じて軽減されるということは認められません。こうしてみると、連帯保証人は、保証人よりも責任が重い立場にあることがわかります。

 農業者に関係する農林漁業金融公庫において資金を借入れる場合、担保又は保証人を求めることが原則となっていますが、土地改良区等の法人が借入れる場合の担保等については、その法人の理事者全員又は一部を連帯保証人とし、実情に応じて受益農業者等も加えて構成する、いわゆる人的担保によって措置しており、原則として担保物件は必要ありません。

(機関誌 平成12年8月号より)