石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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むらづくり維新

 この4月に施行された改正土地改良法のなかで、抜本的改革の一つとされているものに「むらづくり維新プロジェクト」があります。

 この計画は、都市と農山漁村の間において、「人・もの・情報」が循環する共通社会基盤(プラット・フォーム)の整備を目指すので、今年度から平成18年度までの5カ年を第1期対策として実施するものです。

 現在、農山漁村をとりまく情勢は、生活環境や情報通信基盤の整備の遅れ、人口の減少、高齢化の進行といった厳しいものになっています。行政面に関しても、サービスの維持、向上や行政規模の拡大、効率化を図るとき、市町村合併等の地方行政組織の見直しが必要とされています。

 一方、都会から見た農山漁村のイメージは、豊かな自然、美味しい食材の宝庫など、魅力あるものに写っているのも現実です。事実、都会からのIターン現象などがその証明といえるでしょう。

 こうした現状を踏まえて、都市と農山漁村との共生・対流、“おいしい水”、“きれいな空気”に囲まれた生活空間の実現を目指すのがこのプロジェクトと言えます。

 その計画の進め方は、生活圏を基本とした地域の将来像、共通社会基盤の段階的・計画的整備の方針、地域住民の参加の方針について、市町村がイニシアティブをとり、関係府省と連携をとって進めていくものです。

 現在農林水産省では、生態系・景観に配慮した土地改良施設の整備や集落道、コミュニティ施設の整備などを実施する「コア事業」、集落機能を発揮する体制づくりを支援する「ソフト施策」、そして関連事業としてほ場整備事業や集落排水事業などの3方面から事業を進めていくこととしています。他府省でも、総務省では過疎地域集落再編、CATV網の整備など、国土交通省では下水道、地方道の整備など、文部科学省では学校、幼稚園や体験学習などが施策として考えられており、その他厚生労働省、環境省でもそれぞれ調整しているところです。

 元来農村が持つすばらしさに加え、都市と変わらない生活、都市の持つ魅力へのアクセスを、旧の市町村単位で行うことにより、新たな“むら”づくりを推進することが可能になります。

(機関誌 平成14年6月号より)