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CPD(技術者継続教育)
近年、技術の急速な進歩と経済活動のグローバル化が進み、土木技術者一人ひとりの継続的な能力開発が求められるようになっています。大学などの高等教育機関では、日本技術者教育認定機構(JABEE)が実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかどうかを技術系協会と密接に連携しながら審査・認定を行っています。また、平成12年には、技術士法が改正されており、資格取得後において最新の技術や知識を継続的に習得し、自己の能力の維持・向上を目指すとともに、高い職業倫理観の涵養に努めることが責務となりました。
こういった流れを受けて、平成13年4月に日本技術士会が技術者継続教育(CPD:Continuing Professional Development)を開始しました。農業土木分野では、平成14年1月から農業土木技術者継続教育機構が設立されたところです。
CPDの制度は、技術者として専門的能力の開発の継続性、公共事業における技術者の生涯キャリアの育成を支援し、グローバルスタンダードの技術者を生み出す目的で作られたものです。具体的には、農業農村整備事業に携わる技術者(発注者および受注者)の技術者責任を明確に果たしていくために、次の4項目の業務を行うこととしています。
- 継続教育プログラムの評価・認定
- 継続教育プログラムの情報提供・支援
- 継続教育の記録および管理
- 継続教育記録の証明
この制度の対象者は、「農業農村整備の発注および発注に携わる技術者」であり、国、都道府県、市町村、土地連、土地改良区等の行う事業を担う技術者も対象としています。
CPDで認定される事項は、6項目あり、
1.参加学習型 | 研修、講習、シンポジウムなどの参加を評価認定する |
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2.情報提供型 | 論文等の発表、技術図書の執筆、研修等の講師経験を評価認定する |
3.実務学習型 | 特許取得や新たな工法など成果を上げた業務および自己の技術研鑚の足跡としての技術的業務記録を評価認定する |
4.技術協力型 | 技術的な委員会の委員、査読、国際機関への協力等を評価認定する |
5.自己学習型 | 各種資格試験や業務上必要な自己学習を評価・認定する |
6.その他 | 資格取得、学会、農村振興技術連盟・農業土木技術研究会等からの受賞を評価すると共に、技術者として相応しくない事故等はマイナスの評価となる |
これからは、時代に即した技術力と社会的地位の一層の向上のために、関係技術者一人ひとりの日々の努力が重要なものとなってきます。
(機関誌 平成14年11月号より)