石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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ISO(国際標準化機構)<その1>

 今、国際化が進む社会情勢に対応するため、各方面において様々な取り組みが成されています。その一つとして現在「ISO」に注目が集まっています。

 これは、正式には「国際標準化機構」といい、企業の製品の保証を得るため、その品質システムを確認することによって、物やサービスの国際交換を容易にし、知的、科学的、技術的及び経済的な活動分野の協力をよりスムーズに得ることができるような国際規格や標準等を制定する機構です。

 ISOは1947年にロンドンにおいて発足し、総会、理事会、中央事務局、専門委員会などで組織されています。最高決議機関は総会で、原則として一年に一回開催されることとなっており、運営機関として最高に位置するのは、18理事国の代表者で成り立っている理事会で、これもまた一年に一回開催されています。その他、19か国の会員団体から派遣された160人以上の職員から成っている中央事務局は事務作業を司り、185の専門委員会では各々に分担されたテーマを追求する役割を担っています。

 創設当初は15か国からのスタートでしたが、現在は80か国以上の正規会員、20か国以上の通信会員からなる大組織となっています。

 日本には19の審査登録機関があり、各企業を審査・登録し、ISOの認証を与えています。ISOを取得する企業が出はじめたばかりのころは、審査員の質にばらつきが見られ、苦情が多く寄せられたため、その審査登録機関自体を審査・認定する機関が設けられました。それが「(財)日本適合性認定協会(以下JAB)」です。JABが設立される前は、海外の認定機関に頼っていましたが、1993年に通商産業大臣と運輸大臣の許可を得て日本唯一の審査登録機関の認定機関となりました。

 さて、ISOの規格ですが、品質システムについての規格として、ISO9000シリーズ(以下ISO9000S)、環境管理システム規格にはISO14000シリーズ(以下ISO14000S)等があります。

 これらが適用されている身近な例として、写真フィルムやネジが挙げられますが、まず、ISO9000Sは具体的にどういったものかというと、顧客が製品を購入する時、本当に安心して購入できるかどうかということを顧客自身が確認できる品質システムのことをいいます。

 品質システムとは、企業が何か作業を行う時、その手順をマニュアル化することにより、いつでも誰が担当しても同じ品質の製品、サービスが提供できるようにしておく体制を指します。そうすることで、顧客は安心して取引に応じられ、その結果、契約の上で他企業より有利な立場に立てるといったことや、社内の品質保証体制の確立ができるといったメリットが考えられます。

 その反面、社員の研修費やISO規格取得の指導をするコンサルタントへの支払といった出費、扱う文書量が増加するといったことも発生すると思われますが、それだけの努力をしなくては厳しい審査基準をクリアし、ISO規格を取得できないと言えます。

 この基準とISO14000Sについては次回でふれることにします。

(機関誌 平成11年5月号より)