石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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ISO(国際標準化機構)<その2>

 前回は、ISOとはどういうものか、そしてその中でも主にISO9000Sについてみてきました。今回は、このISO9000Sとともに注目を集めている「ISO14000S」について紹介したいと思います。

 これは、前回も少しふれましたが「環境マネジメントシステム」に関する国際規格です。環境マネジメントシステムというのは、企業などが企業活動や製品を通じて環境に与える負荷をできるだけ減らすように配慮したシステムを指します。

 特にこのシリーズは、企業だけに限らず、あらゆる組織、団体を対象にしたもので、わが国では建設省、郵政省、あるいは地方自治体までもが取得しようという方向にあります。

 また、環境に関する機構ということで、近年我々が地球に与えているダメージの状況を考えると、大変画期的なものだと言え、一時しのぎではなく将来にわたって継続していくシステムということからも、目を向けていく必要があると考えられます。

 またメリットとして省エネや廃棄物の削減といったことでコストダウンにつながるし、9000シリーズと同様、企業のイメージアップになるとも言えます。その他、9000Sと比べて要求事項が少ない、審査登録機関の審査を受けなくても自ら環境ISOに適合していると宣言することができる「自己宣言」が認められているといったこともありますが、項目が少ないからといって必ずしも容易に取得できるとは限りませんし、自ら適合宣言したところで取引上認められるかどうかは別問題といえます。ここで大切なのは、どのシリーズの規格が目的に合ったものなのかを見極めることです。

 こうしてみてくると、2つのISOシリーズの重要さがわかると思いますが、職員全員の理解と団結力が必要であるということと、そしてこれらの規格を取得して終了というのではなく、自主的に継続して行くことが最も重要であると言えます。

 したがって、ISOの取得は単に資格取得ということだけではなく、企業のレベル、労働に対する意識の向上にもつながって いくと思われます。

ISO9001の規格内容

 序文
 1.適用範囲
 2.引用規格
 3.定義
  3.1 製品
  3.2 見積仕様書
  3.3 契約
 4.品質システム要求事項
  4.1 経営者の責任
  4.2 品質システム
  4.3 契約内容の確認
  4.4 設計管理
  4.5 文書及びデータの管理
  4.6 購買
  4.7 顧客支給品の管理
  4.8 製品の識別及びトレーサビリティ
  4.9 工程管理
  4.10 検査・試験
  4.11 検査、測定及び試験装置の管理
  4.12 検査・試験の状態
  4.13 不適合品の管理
  4.14 是正処置及び予防処置
  4.15 取扱い、保管、包装、保存及び引渡し
  4.16 品質記録の管理
  4.17 内部品質監査
  4.18 教育・訓練
  4.19 付帯サービス
  4.20 統計的手法 

ISO14001の規格内容

 序文
 1.適用範囲
 2.引用規格
 3.定義
 4.環境マネジメントシステム要求事項
  4.1 一般要求事項
  4.2 環境方針
  4.3 計画
  4.3.1 環境側面
  4.3.2 法的及びその他の要求事項
  4.3.3 目的及び目標
  4.3.4 環境マネジメントプログラム
  4.4 実施及び運用
  4.4.1 体制及び責任
  4.4.2 訓練、自覚及び能力
  4.4.3 コミュニケーション
  4.4.4 環境マネジメントシステム文書
  4.4.5 文書管理
  4.4.6 運用管理
  4.4.7 緊急事態への準備及び対応
  4.5 点検及び是正処置
  4.5.1 監視及び測定
  4.5.2 不適合並びに是正及び予防処置
  4.5.3 記録
  4.5.4 環境マネジメントシステム監査
  4.6 経営層による見直し
  附属書

(機関誌 平成11年6月号より)