石川県土地改良事業団体連合会 水土里ネットいしかわ

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IT革命

 ここ最近、紙面によく登場する「IT」という言葉は、「Information(情報)technology(技術)」の頭文字をとったもので、情報技術のことをいいます。

 このITによる経済社会においての革命のきっかけはインターネットがはじめで、その後携帯電話の急激な普及などによって促進、加速されたものです。

 これは、コンピュータのハードウェアからソフトウェアと、これらを組み合わせたシステム構築、また、使うノウハウまでを含めた広い範囲で使われる技術を指します。つまり、日常生活や組織運営において必要とされるさまざまな情報を、誰もがいつでもどこでも入手でき、それを目的に合った形にすることにより、さまざまな活動においてより速く、より高い成果を得られることが可能となります。

 例えば、業務の効率を今以上に上げようとする場合、最終的に足を引っ張るのは、意思決定までの時間と、決定事項を関係者に周知する時間です。それを短縮するには、必要な書類はデータベースに入れておき、担当者がいなくても誰もが必要に応じて即座に必要な情報を引き出すことが出来る状態にしておくことが必要と言えます。そして、手近な携帯端末からでも簡単に情報が取り出せる仕組みづくりがうまくいった時、IT革命が成功したということになります。極端にいうと1ヶ月かかる仕事を3日でやってしまうことも可能になると考えられるのです。

 ここ数年、アメリカの好景気を支えたのはIT産業だと言われており、日本はかなり出遅れているということで、取り組みの強化がうたわれています。

 そこで、政府が打ち出した主な取り組みとして、予算・人員の重点配分と既存のネットワーク基盤の有効活用、ネットワーク社会における経済取引に対応した新たな市場の枠組みの構築、わが国をグローバルなIT革命の中心に位置づけるための方策へ積極的な取り組み、IT革命の成果を最大限に生かすための物流スピード化の促進、IT革命時代の変革とスピードに対応できる経済社会システムの構築といったものが挙げられます。農業関係においても、農村にも光ファイバーを引き、農地のデータを行政や農協が共有し、ため池や水路などを24時間遠隔監視して災害防止に役立てるといった構想もあります。建設省においては、下水道に大容量の光ファイバー網を張りめぐらし、下水の流量や水質を測定する計画を打ち出しています。

 また、これは都市部だけではなく中山間地域や遠隔地に暮らす人々にとっても有用なものとなると考えられ、地域を超えた組織づくりの実現に大いに力を発揮していくことと思われます。実際に、広範に散在する農業者が電子メールなどを活用して無農薬栽培などに取り組んでいる例もあり、今後、生産、流通、消費にわたるネットワークがどのように展開されていくのか、無限の可能性を秘めたIT革命に期待が寄せられています。

(機関誌 平成12年10月号より)